先日、ある社長からこんな相談を受けました。「去年のふるさと納税、5万円だけやったんですけど、少なかったですかね?」
年収は5000万円超。計算してみると、上限の目安は約190万円。5万円というのは、使えたはずの上限の40分の1以下しか活用できていなかったことになります。
この話、笑えないくらいよくあるんです。
年収が上がるほど、上限の差は大きくなる
ふるさと納税の「上限額」とは、所得税と住民税の控除が受けられる最大の寄附金額のこと。2000円の自己負担で、残りは丸ごと税金から戻ってくる仕組みです。
サラリーマンと違い、役員報酬が高い社長ほど上限額も大きくなります。なのに「毎年なんとなく5万円だけ寄附する」という方が驚くほど多い。
年収ごとの目安を、ランキング形式で見ていきましょう。
第3位:年収1000万円の社長、上限は年約17万円
「年収1000万円」というと高収入のイメージですが、ふるさと納税の視点では、まだ「入口」に近い水準です。
それでも17万円分の返礼品は、高級和牛やカニ、家電など、日々の生活を豊かにするものが揃います。ところが実態は「面倒で毎年3〜5万円しかやっていない」という社長が多い。上限の3割も使い切れていない計算です。
17万円を丸ごと使い切るのは、意外と手間がかかると感じるかもしれません。ですが、ポータルサイトを使えば年2〜3回の申し込みで十分カバーできます。今年こそ「上限まで使い切る」を習慣にしてみてください。
第2位:年収2000万円の社長、上限は年約60万円
ここまで来ると、返礼品の規模感がぐっと変わります。60万円分というのは、年間を通じて食品・飲料・日用品を返礼品だけでまかなえるレベル。家族がいれば、全員が恩恵を受けられる量になります。
ただし、この年収帯から「計算の落とし穴」が出てきます。年収2000万円を超えると、所得構成が複雑になり、シミュレーターの数字が実態とズレるケースも出てきます。医療費控除や生命保険料控除など、他の控除との兼ね合いで上限が変わることもあるため、ポータルの自動計算だけを鵜呑みにしないことが大切です。
この年収帯以上の方は、年末前に税理士と一度確認する習慣をつけておくと安心です。
第1位:年収5000万円超の社長、上限は年約190万円
今日一番お伝えしたいのが、このポイントです。
年収5000万円を超えると、ふるさと納税の上限目安は約190万円。毎月15万円以上を寄附できる計算で、返礼品として受け取れる価値は実質60〜70万円相当にもなります。
冒頭の社長の話に戻ると、5万円しか寄附していなかった年は、残り185万円分の節税機会をそのまま流してしまったことになります。1年でもその差は大きいですが、5年続けば数百万円規模の「取り逃がし」になります。
この年収帯の社長ほど、多忙さや「どうせ大した差はない」という思い込みから後回しにしがちです。ですが、金額インパクトを一度正確に把握すると、考え方が変わる方がほとんどです。
忘れてはいけない「家族構成の影響」
もう一点、見落とされやすいのが家族構成による変動です。
扶養家族の人数や配偶者の収入の有無によって、上限は数万円単位で変わることがあります。「子どもが独立した」「配偶者がパートを始めた」など、前年と状況が変わった年は特に要注意です。前年と同じ金額で寄附して、後から控除しきれなかったというケースも実際にあります。
毎年、年末前に最新の状況でシミュレーションし直すこと。これがふるさと納税を最大限に活かす、唯一確実な方法です。
「自分の上限」を確認するだけで節税効果が変わる
ふるさと納税は、仕組みを知っている人が得をする節税手段です。使わなければ、ただ税金を払い続けるだけ。
今年の確定申告や年末の手続きが本格化する前に、ぜひ税理士に「私の今年の上限はいくらですか?」と一度確認してみてください。その一言が、数十万円単位の差になるかもしれません。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な税務判断は税理士にご相談ください。