先日、年商3億円の建設業を営む社長から、こんな連絡が届きました。「決算が終わって申告もしたのに、なんかミスしてる気がして眠れない」。
話を聞いてみると、気になっているポイントがことごとく「税務調査でよく指摘されるやつ」だったのです。
3月決算の法人が申告でやらかしやすいポイントは、実はかなり絞られています。今回は、税務署が必ずチェックする「申告ミスTOP3」をお伝えします。心当たりがあれば、今すぐ確認を。
第3位:交際費の「5項目記録」が抜けている
2024年の税制改正で、1人あたり1万円以下の飲食費は交際費から除外できるようになりました。これ自体は歓迎すべき改正です。
ただし、この特例を適用するには条件があります。「開催日・参加者の氏名と関係・取引先の名称・飲食の目的・金額」という5項目を記録しておかなければなりません。
領収書だけあれば大丈夫、と思っている社長が非常に多いのですが、記録が不備だと1万円以下でも全額が損金不算入になります。毎月の飲食費が積み重なれば、年間で数十万円の税負担差が生まれることもあります。
レシートの裏にメモを書くだけでも変わります。「誰と・何のために」を残す習慣を、今期からつけておきましょう。
第2位:役員報酬を「ちょっと下げた」だけなのに
「今期は業績が思わしくないから、役員報酬を少し下げよう」——この判断が、思わぬ税負担を生むことがあります。
役員報酬を損金として認めてもらうには、期首から3ヶ月以内の定時改定が条件です。それ以外のタイミングで変更した場合、変更後の差額は原則として損金に算入できません。
具体的に言うと、期の途中で月60万円を50万円に変更した場合、残り9ヶ月分の差額10万円×9ヶ月=90万円が損金から消えます。節約のつもりが、結果として税金を増やしているのです。
役員報酬の見直しは、必ず決算後の株主総会とセットで、期首3ヶ月以内に。議事録も忘れずに残してください。
第1位:売上の「計上時期ズレ」は一発アウト
税務署が最も注視するのが、期末前後の売上計上です。これを意図的にずらすと、通常の追徴課税に加えて**重加算税35%**が課されます。
追徴課税の平均額は230万円と言われていますが、重加算税が乗ると一気に跳ね上がります。さらに一度「仮装・隠蔽あり」と判断されると、その後の税務調査でも目をつけられやすくなるという悪循環があります。
「うっかりミス」でも、証拠がなければそうは見てもらえません。期末前後に売上が集中している会社は特に注意が必要で、契約書・納品書・検収書の日付と実際の計上タイミングが一致しているか、今すぐ確認してください。
3つ並べてみると、どれも「知っていれば避けられたミス」です。申告後に気づいても修正申告という手はありますが、税務調査で指摘される前に自分で見つけるのが最善です。
「自社は大丈夫かな」と少しでも引っかかった方は、顧問税理士に今週中に相談することをおすすめします。早く動けば動くほど、選択肢が増えます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な税務判断は税理士にご相談ください。