先日、都内で建設業を営む社長と話していたとき、こんな言葉が出てきました。「輸入車の維持費がバカにならなくて」と。詳しく聞いてみると、毎年5月に届く自動車税の納付書が10万円を超えているとのこと。
「社用車をEVに換えたら、その税金がほぼゼロに近くなりますよ」と伝えると、「えっ、そんなに違うんですか?」と目を丸くされました。
今日は、そのときにお話しした「社用車とEVと税金」の話を、もう少し詳しく整理してお伝えします。
高排気量車にかかる自動車税の現実
社用車として高排気量の輸入車を使っている社長は多いですよね。見た目の格や乗り心地はもちろん大切ですが、毎年5月の自動車税の納付書を見てため息をついている方も少なくないはずです。
排気量3,000cc超〜4,000cc以下のクラスだと、自動車税は年間58,000円。4,000cc超になると75,500円〜111,000円になります。高級輸入SUVはここに該当することが多く、「維持費が思ったより高い」という声をよく耳にします。
社用車として経費計上しているとはいえ、税金は税金。払う総額が少ないに越したことはありません。
EVに換えると自動車税はどう変わるか
EVは電気自動車なので、「排気量」という概念がありません。そのため、自動車税は一律25,000円に統一されています。
4,000cc超の輸入車から乗り換えた場合、自動車税の差額だけで年間85,000円前後になります。これだけでもかなりのインパクトですが、EVに関わる税制上の優遇はこれだけではありません。
購入時にもかかる2つの税金が大きく変わる
まず「環境性能割」。クルマを購入するときにかかる税金で、通常は車両価格の1〜3%が課税されます。EVはこれが非課税です。
仮に600万円の車両を購入した場合、通常なら3%で18万円の環境性能割がかかります。EVなら0円。この差は購入時に一度だけ生じるものですが、乗り換えサイクルで割り返すと年間換算で相当な節約になります。
次に「自動車重量税」。車検時に支払う税金で、EVは免税になります。2年ごとの車検で課税されるため、年換算すると1万円前後の差が生まれます。
まとめると、年20万円前後の差になることも
整理してみましょう。
- 自動車税の差額:年間約8万〜9万円(4,000cc超との比較)
- 環境性能割の節約:購入時一回だが年換算で5〜10万円相当
- 重量税の節約:年換算で1万円前後
購入する車種や排気量によって変わりますが、年換算で15万〜25万円の差が出る社長は珍しくありません。5年乗り続ければ、それだけで100万円近い差になる計算です。
さらに、国や自治体のEV補助金を組み合わせることで初期コストを圧縮できる場合もあります。補助金は年度ごとに内容が変わるため、購入のタイミングで最新情報を確認しておきましょう。
EVに替える前に確認してほしいこと
「じゃあ今すぐ換えよう!」という前に、いくつか確認が必要です。
まず充電環境。自社の駐車場や自宅に充電設備を設置できるかどうかは大前提です。外出先での急速充電だけで運用するのは、現実的でないケースもあります。
次に走行距離と使い方。長距離出張が多い社長や山間部を頻繁に走る方は、航続距離の問題が出てくることも。今のカーライフと照らし合わせた検討が必要です。
そして初期費用。EVは同クラスのガソリン車に比べて車両価格が高めです。税制優遇やランニングコストを加味したうえで、回収期間をシミュレーションしておくことをお勧めします。
「どうせ経費で落とすから」が一番もったいない
社用車の選び方を「カッコいいから」「乗り心地がいいから」だけで決めている社長ほど、見直しの余地があることが多いです。経費計上できるとはいえ、税金の総額が減ればキャッシュフローの改善に直結します。
次の社用車の買い替えタイミングが来たら、ぜひEVの選択肢もテーブルに乗せてみてください。「うちのケースだと年間どれくらい変わる?」と税理士に数字を出してもらうだけで、意外な発見があるはずです。節税は、日々の小さな選択の積み重ねで大きく変わります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な税務判断は税理士にご相談ください。